浮気調査を探偵に頼もうと考えたとき、真っ先に気になるのが費用ではないでしょうか。
「いくらかかるのか分からないまま相談していいのか」「あとから高額な請求が来ないか」という不安は、誰でも持つものだと思います。
浮気調査の費用は安い買い物ではありませんが、総額が何で決まるのかと、契約前に何を確認できるのかが分かっていれば、不当な請求はかなりの部分まで避けられます。
この記事では、費用の相場と料金体系の仕組みに加えて、探偵業法が依頼者に保障している「契約前の書面説明」まで踏み込んで説明します。
金額の話だけでなく、金額を確認する手段まで持ち帰っていただければと思います。
浮気調査の費用相場|目的と期間で総額が決まる
浮気調査の費用は、一律の定価があるものではありません。
総額を決めているのは主に2つ、何のために調べるのか(目的)と、何日ぶん調べるのか(期間)です。
この2つが動くと、同じ事務所に頼んでも総額は数倍変わります。
目的別の費用目安
「浮気しているかどうかを知りたい」のと「裁判で慰謝料を請求したい」のとでは、必要な証拠の量がまったく違います。
| 目的 | 必要な証拠 | 調査期間の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 事実確認(浮気の有無を知りたい) | 会っている事実が分かる写真 | 数時間〜数日 | 10〜30万円程度 |
| 話し合い・関係の立て直し | 相手が言い逃れできない程度の記録 | 数日 | 20〜50万円程度 |
| 裁判・慰謝料請求 | 不貞行為を示す証拠を複数回ぶん | 数週間〜 | 50〜100万円以上 |
ここに幅があるのは、事務所ごとの単価差だけが理由ではありません。
裁判を見据える場合は「1回きりの写真」では足りず、日を変えて複数回の証拠が求められるため、必要な稼働時間そのものが増えるからです。
裁判で通用する証拠が具体的にどういうものかは、

期間が延びると費用はどう動くか
費用の大部分は調査員の人件費です。
調査は基本的に2〜3名体制で動くため、稼働1時間あたりの金額は「単価×人数」で積み上がっていきます。
- 1日だけの調査は、日時が絞れている場合の最小構成です
- 数日にわたると人件費がそのまま倍々で乗ってきます
- 対象者の行動が読めず1か月規模になると、総額は100万円台に届くこともあります
逆に言えば、調査日を絞り込めるかどうかが費用を左右する最大の要素ということになります。
費用の内訳|何にお金がかかっているのか
見積書の金額が何で構成されているのかを知っておくと、内訳が書かれていない見積書の異常さに気づけます。

| 要素 | 内容 | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 調査時間・期間 | 長時間・長期間の調査 | 人件費がそのまま増える |
| 調査員の人数 | 2〜3名体制が基本 | 人数ぶん単価が乗る |
| 難易度 | 行動が不規則、移動経路が複雑 | 張り込み時間が延びる |
| 移動・機材 | 車両費、燃料費、特殊カメラ | 諸経費として加算される |
| 報告書の作成 | 裁判提出を想定した書式 | 別途費用になる事務所がある |
このうち諸経費と報告書作成費は、総額に含む事務所と別請求にする事務所に分かれます。
ここが見積もりを比べるときにいちばん食い違うところです。
料金体系は3つ|仕組みと金額の出方
探偵事務所の料金体系は、時間制・パック料金制・成功報酬型の3つに大きく分かれます。
どれが得かは金額の大小ではなく、あなたが調査日をどこまで絞り込めているかで決まります。
時間制(時給制)の仕組み
「調査員1名あたり1時間いくら」という単価で計算する体系です。
総額は「単価×調査員数×稼働時間」で出ます。
- 浮気の日時と場所が絞れていれば、総額を最も安く抑えられます
- 必要なぶんだけ払う形なので、短時間で終われば支出も小さく済みます
- 対象者の行動が長引くと、その場で稼働時間が延びて予算を超えます
- 「何時間で打ち切るか」を決めていないと、青天井になりやすい体系です
時間制を選ぶなら、契約の段階で上限時間を決めておくことが実質的な安全装置になります。
パック料金制の仕組み
「20時間で〇〇円」のように、一定の稼働時間をまとめて先に契約する体系です。
時間単価は時間制より割安に設定されるのが一般的で、総額が契約時点で確定します。
- 総額が動かないので、予算を先に固定できます
- 複数回の証拠が必要な裁判目的の調査と相性が良い体系です
- 早く証拠が取れて時間が余っても、返金されない契約が多くあります
- 逆にパック時間を使い切ると、そこから先は追加契約になります
余った時間の扱いと、使い切ったあとの延長単価は、契約前に必ず聞いておきたいところです。
成功報酬型の仕組み
調査が成功した場合にだけ、あらかじめ決めた報酬を払う体系です。
確証がなく、空振りに終わる可能性を抱えたまま依頼する方にとっては、心理的な負担が軽い形になります。
- 証拠が取れなければ報酬が発生しないため、無駄になる費用を抑えられます
- 「成功」の定義が曖昧だと、取れた/取れないの解釈で揉めます
- 成功したときの総額は、他のプランより高めに設定されることが多い体系です
- 「成功報酬型」でも着手金が別に必要な場合があります
成功報酬制を掲げている事務所の実例としては、

3つのプランを比べる
| プラン | 総額の決まり方 | 注意点 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 時間制(時給制) | 稼働した時間ぶん | 長引くと上限なく増える | 浮気の日時が特定できている人 |
| パック料金制 | 契約時に確定 | 早期終了でも返金なしが多い | 長期調査・裁判を見据える人 |
| 成功報酬型 | 成功時のみ発生 | 成功の定義が曖昧だと揉める | 確証がなくリスクを抑えたい人 |
相場記事の数字と、公式サイトの料金表記はズレる
費用を調べていると「1名1時間あたり1万円〜2万5,000円」といった相場の数字をよく見かけます。
ただ、実際に事務所の公式サイトを開くと、その幅に収まらない表記が普通に出てきます。
| 事務所 | 公式サイトの料金表記(2026年9月時点) |
|---|---|
| HAL探偵社 | 浮気・不倫調査は調査員1名につき1時間7,000円(税込)。追加料金はいただきませんと明記。ほかに完全成功報酬プランあり |
| 原一探偵事務所 | 浮気調査はトライアル料金55,000円、目安料金250,000円。日数・人員・機材・報告書・車両・諸経費を含み、見積もり記載以外の追加料金は一切いただかないと明記 |
同じ「浮気調査」でも、時間単価で示す事務所と、調査1件あたりの目安額で示す事務所があります。
つまり、相場の数字をそのまま持って行っても、目の前の見積書とは比べられないということです。
相場は「桁を間違えていないか」の目安として使い、実際の判断は各事務所の公式表記と見積書で行うほうが確実です。
掲載金額は変わることがあるので、相談前にそれぞれの公式サイトで最新の表記を確かめてください。
契約前に「概算額の説明」を受けるのは依頼者の権利
ここが、費用の話でいちばん知られていない部分です。
探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)は、探偵業者に対して契約を結ぼうとする前の書面による説明を義務づけています。
お金の話を切り出しにくいと感じる必要はなく、金額の説明は事務所側が法律上しなければならないことです。
契約前に書面で説明される9つの事項
探偵業法第8条第1項は、契約前に書面を交付して説明すべき事項を次のように定めています。
- 探偵業者の商号・名称・氏名・住所(法人なら代表者の氏名)
- 届出をした公安委員会の名称
- 個人情報保護法その他の法令を遵守すること
- 第10条に規定する事項(秘密の保持など)
- 提供することができる探偵業務の内容
- 探偵業務の委託に関する事項
- 探偵業務の対価その他依頼者が支払わなければならない金銭の概算額および支払時期
- 契約の解除に関する事項
- 作成・取得した資料の処分に関する事項
7番目に注目してください。
支払う金額の概算と、いつ払うのかは、契約前に書面で説明されなければならない事項として条文に書かれています。
口頭で「だいたい50万円くらいですね」と言われただけで契約を迫られたら、その時点で法律が求める手順を踏んでいません。
契約したあとに交付される書面
同じ第8条の第2項は、契約を結んだあとに交付される書面の内容も定めています。
- 調査の内容・期間・方法
- 調査結果の報告の方法と期限
- 対価その他支払う金銭の額、支払の時期と方法
- 契約の解除に関する定めがあるときはその内容
- 資料の処分に関する定めがあるときはその内容
契約前の書面が「概算額」なのに対し、契約後の書面は「額」と書かれている点が違いです。
解約したときにいくら戻るのかで揉めないためにも、この書面は必ず受け取って保管しておいてください。
書面をめぐる違反は、実際に行政処分の理由になっている
警察庁生活安全局「令和7年中における探偵業の概況」によると、令和7年末の探偵業の届出数(営業所数)は7,354件でした。
同じ年の行政処分は、営業廃止命令と営業停止命令がいずれも0件、指示が19件です。
書面交付違反 4件/書面受理違反 2件
(出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和7年中における探偵業の概況」)
19件のうち6件が書面まわりで、内訳としては最も多い分類になっています。
書面の交付は形式的な手続きに見えますが、実際に行政処分の対象として数えられている項目だということです。
契約前に書面が出てこない事務所は、その一点だけでも見送る理由になります。
見積もりでトラブルを避けるチェックリスト
法律が守ってくれるのは「説明させること」までで、金額そのものの妥当性までは担保してくれません。
受け取った見積書のどこを見るかは、依頼者側の仕事になります。
見積もり項目のチェック
- 総額か、基本料金のみか:その金額で終わるのか、ここから積み上がるのかを最初に聞きます
- 諸経費の扱い:車両費、機材費、報告書作成費が含まれているかを確認します
- 含まれていない場合の上限:別途発生するなら、いくらまでかを決めてもらいます
- 追加料金の有無を書面に:「これ以上の追加料金は発生しない」と書いてもらえるかを聞きます
- キャンセル料:調査開始前の解約でいくらかかるかを確認します
解約の条件は、探偵業法第8条でも説明事項に入っています。
聞きにくい質問ではなく、事務所が答えるべき項目だと考えてかまいません。
成功報酬型を選ぶときのチェック
成功報酬型は、契約の文言ひとつで意味が変わる体系です。
- 「成功」の中身:浮気の事実が分かれば成功なのか、不貞行為の証拠を取れて成功なのかを具体的に決めます
- 書面への明記:定義を口頭で済ませず、契約書に書いてもらいます
- 着手金:成功報酬型でも着手金が必要な場合があるため、金額と、失敗時に返るかどうかを確認します
裁判を見据えているなら「不貞行為を示す証拠を取得したとき」まで踏み込んで定義しておくほうが安全です。
悪質業者を見抜く5つのチェック

| チェックポイント | 注意点 |
|---|---|
| 格安・最安値アピール | あとから高額な追加請求になる恐れがあります |
| 見積もりが不透明 | 内訳が曖昧で、追加費用の上限も示されません |
| 成功率100%などの表示 | 調査は相手の行動次第で、言い切れる性質のものではありません |
| 契約を急かす | 冷静に判断させない状況を作ろうとしています |
| 所在地・代表者が不明 | 届出をしていない営業の可能性があります |
その場で契約書にサインさせようとする事務所からは、いったん離れてください。
持ち帰って読む時間をくれない事務所は、書面の内容を読まれたくないと考えているかもしれません。
業者の見分け方をもう少し広く知りたい場合は、

費用を抑えるために依頼者側でできること
費用の大部分が人件費である以上、調査時間を短くできれば総額は下がります。
そして調査時間を短くできるかどうかは、依頼者が渡す情報の量でかなり変わります。
事前に準備しておく情報

- 最近の行動パターン:怪しい曜日、時間帯、向かう方向を思い出せる範囲で書き出します
- 対象者の情報:最新の写真、車種とナンバー、勤務先、普段の帰宅時間
- 調査のゴール:事実を知りたいのか、離婚や慰謝料請求まで進みたいのか
特に効くのは1つ目です。
「毎週水曜の夜」まで絞れていれば時間制で足りますが、「いつか分からない」状態だと張り込み日数を積むしかなくなります。
なお、費用を惜しんで自分で尾行や車両へのGPS設置をすると、証拠として使えないばかりか法的な責任を問われることがあります。
自力でやる場合の線引きは

3社以上で見積もりを取って比べる
料金体系も見積もりの前提も事務所ごとに違うため、1社だけ見ても高いのか安いのか判断できません。
- 最低でも3社に無料相談して見積もりを取ります
- 総額だけでなく、調査員の人数・稼働時間・含まれる諸経費をそろえて比べます
- 同じ条件に直して初めて、単価の差が見えてきます
相談の場でそのまま契約させようとする事務所かどうかも、ここで分かります。
弁護士と連携して進める
離婚や慰謝料請求まで考えている場合は、調査を始める前に弁護士へ相談しておく進め方もあります。
- 裁判で必要になる証拠の条件を先に確認できるため、無駄な調査を減らせます
- 調査が終わったあと、法的手続きにそのまま移れます
「証拠は取れたが、裁判では足りなかった」という形で費用が無駄になるのを防ぐ意味があります。
料金以外で費用対効果を左右するもの
安く契約できても、裁判で使えない報告書しか出てこなければ支払った費用は戻りません。
金額と同じ重さで、調査の質と事務所の信頼性を見る必要があります。
届出番号と事務所の実在を確かめる
探偵業を営むには、営業所ごとに公安委員会へ届け出なければなりません。
- 公式サイトや事務所内の標識に、探偵業届出番号が示されているかを見ます
- 番号は公安委員会名とセットで記載されるものなので、番号だけの表記は確認が必要です
- 記載された住所を地図で調べ、実在するかを確かめます
届出番号は事務所ごと・営業所ごとに異なります。
報告書のサンプルを見せてもらう
報告書は、支払った費用の成果物そのものです。
- 証拠写真が人物を判別できる鮮明さかどうか
- 日時・場所・行動が時系列で読み取れるか
- そのまま資料として提出できる体裁になっているか
サンプルを見せられない事務所は、契約前に判断材料を出さない事務所ということになります。
相談時の対応を見る
- 料金体系の質問に、具体的な数字で答えるか
- できない調査(戸籍や住民票の取得など)を「できる」と言わないか
- 考える時間を与えてくれるか
相談の時点での受け答えは、契約後の対応の予告編だと考えてよいと思います。
全国規模の事務所と地域の事務所で迷っている場合は、

まとめ|費用で後悔しないための3点
浮気調査の費用は、目的と期間で決まり、料金体系によって金額の出方が変わります。
そのうえで、依頼者が押さえておくべきことは3つです。
- 金額の説明は書面で受け取る。概算額と支払時期の事前説明は、探偵業法第8条が事務所に義務づけている手続きです
- プランは金額でなく状況で選ぶ。日時が絞れているなら時間制、複数回の証拠が要るならパック、確証がないなら成功報酬型が候補になります
- 3社そろえて比べる。条件をそろえて初めて、提示額が妥当かどうかが判断できます
費用を抑えることと、質の低い調査を選ぶことは別です。
書面で確認しながら進めれば、金額の不安はかなり小さくできます。
浮気調査の費用に関するFAQ
浮気調査を依頼する際、最終的な費用の相場はどれくらいだと考えておけば良いですか?
・事実確認(浮気の有無を知るだけ)が目的の場合:10万円から30万円程度が相場となるでしょう。
・裁判・慰謝料請求(決定的な証拠収集)が目的の場合:50万円から100万円以上かかるケースが多くなります。
調査期間や調査員の人数が増えるほど費用は高くなります。
必ず複数社で詳細な総額見積もりを取って比較してください。
見積もりが「格安」だった場合、どのような「追加費用」に特に注意すべきですか?
・諸経費: 車両代、燃料費、報告書作成費などが別途請求される場合があります。
・機材費: 特殊なカメラや調査機材の使用料が別枠で加算されるケースです。
契約前に、「見積もり総額以外に、これ以上の追加費用は一切発生しない」という旨を契約書に明記してもらうことが重要です。
成功報酬型のプランを選ぶ際、「成功の定義」はどのように確認すれば良いですか?
曖昧な定義は避ける:「浮気の事実が判明したら成功」ではなく、「裁判で使用できる不貞行為の決定的な証拠を取得したら成功」といった具体的な定義を求めましょう。
定義が曖昧だと、依頼者が不十分と感じる情報でも「成功」と見なされ、報酬を請求される可能性があるため注意が必要です。
費用対効果を高め、調査費用を安く抑えるために依頼者ができることは何ですか?
・情報の絞り込み: 対象者が浮気相手と会う日時や場所をピンポイントで特定し、探偵に伝えることが重要です。これにより、無駄な調査時間を削減できます。
・プランの選択:日時が明確な場合は時間制料金、確証がない場合は成功報酬型を選ぶなど、状況に応じたプランを選択しましょう。
料金プラン以外に、調査費用を高くする要因には何がありますか?
・調査員の人数:尾行の成功率を高めるため、通常2〜3名体制となります。人数が増えるほど人件費は高くなります。
・調査の難易度:対象者の行動が不規則な場合や、遠方への移動が多い場合、調査時間が長くなり費用が増加します。
・時間帯:深夜や早朝の調査は、割増料金が適用される場合があります。
費用が不安な場合、探偵事務所にはどのように相談すれば良いですか?
・予算の上限を提示:調査にかけられる予算の上限を明確に伝え、その予算内でどのような調査が可能か提案を求めてください。
・内訳の質問:見積もりの際に、調査員の人数や稼働時間など、料金の内訳を細かく質問し、透明性をチェックしましょう。
料金が安くても、裁判で使えない「無駄な費用」になるケースはありますか?
・証拠能力の不足:安さを追求した結果、調査員の人数や機材が不十分で、裁判で通用する「不貞行為の明確な証拠」が取得できない場合があります。
・報告書の質:調査報告書が稚拙で、裁判資料として提出できない場合もあります。
費用を抑えることよりも、「法的に有効な証拠」を確実に得られる調査の質と料金の透明性を重視することが重要です。

